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知っておきたいアメリカの制度~アメリカで快適に生活するために

日本とは違って、自分のことは自分で責任を取る、というアメリカ。
そのため、アメリカで生活しようとする人たちには知っておいたほうがいいと思うことを
日本からアメリカに移住した私の経験からまとめてみます。

 

目次


 ■医療保険制度

 ■年金(ソーシャルセキュリティー)

 ■リタイアメント

 ■家の買い方


私の経験

 

 

医療保険制度



医者、病院などは様々な保険会社のネットワークに入っている。自分の通っている病院が自分の保険のネットワークに入っている場合、自分が支払う医 療費は安くなる(保険が負担する)。ネットワークに入っていない場合(out-of-network)は、高い医療費を払わなくてはならない。

つまり、自分の行く病院が自分の保険のネットワークに入っているか(自分の保険を受け付けるか)、行く前にチェックする必要ありということ。


保険のプランにはいろいろあるが、HMOとPPOの2つがメイン。

・HMO Health Insurance Plans
-ネットワークに入っている病院や医者に会わなくてはならない。Out-of-networkの病院に行くと保険がきかない。
-まず、プライマリードクター(PCP)に診てもらわなくてはいけない。必要ならPCPが他の専門医を紹介する。 

・PPO Health Insurance Plans
-MHOより医者や病院を選択するのに自由。Out-of-networkのところでも保険がきく。(ネットワークに入っている場合よりは高いけ ど。) 
-MHOとちがい、PCPに会わなくても直接専門医などに診てもらえる。


自己負担の払い方、Deductible, coinsurance, copay。

Deductible
•    A deductible is the amount you pay for health care services before your health insurance begins to pay.
決められた額(deductible)に達するまでは、医療費は全額自分で払い、それ以降は保険がきく。
例)もし1500ドルdeductibleだったら、病院や薬局の費用は1500ドルに達するまでは全額自分で払う。1500ドルを超えたら、そ れ以降は保険がきく。

Coinsurance
•    Coinsurance is your share of the costs of a health care service. It's usually figured as a percentage of the amount we allow to be charged for services. You start paying coinsurance after you've paid your plan's deductible.
かかった医療費に対して決まったパーセントのお金を支払う。
例)70%払うっていう保険ならどんな治療についても30%が自己負担。(日本の保険みたいなもん)

Copay
•    A copay is a fixed amount you pay for a health care service, usually when you receive the service. The amount can vary by the type of service. You may also have a copay when you get a prescription filled.
医療サービスについて一定の決められた額を支払う。それぞれの医療サービスによってその額は違う。
例)医者の診察にcopayが25ドルと決められていたら、自己負担は25ドル。ある治療についてcopayが50ドルと決まっていたら、実際に かかった費用にはかかわらず、自己負担50ドル払う。


もう一つ、保険で重要なこと。Authrization

Prior authorization (PA) is a requirement that your physician obtain approval from your health insurance plan to prescribe a specific medication for you. PA is a technique for minimizing costs, wherein benefits are only paid if the medical care has been pre-approved by the insurance company.

医者は治療プランについて、保険会社の了承を得ないといけない。それに従っていないと、保険が出ない。

例1)、医者がAさんに、この手術をしたい、と言っても、保険会社が必要ない、といえば手術できない。したら、保険は出なくて全額負担しないとい けない。
例2)、Bさんが病気で、保険会社が1)食事、運動療法、2) 薬物治療、3)手術、と言ってきたら、まず1を試し、それでだめなら2)薬を試して、それでもだめなら3)手術という方法をとらなくてはならない。いきな り、手術という方法は取れない(保険が出ない)。
例3)、Cさんが入院していて、完全に回復していなくても、保険会社が5日で出なさい、もう必要ないといえば出なくてはならない(それ以上保険は 出ない)。

同様に、処方箋についても、保険会社が保険がきくものときかないものを決めている。たいていジェネリックには保険がきくがブランドにはきかない。 医者や薬剤師はそれを考慮して処方しないといけない。

つまり、保険会社が治療方法をコントロールしているということ。


国の保険 Medicare, Medicaid

Medicare
seniors 65 and over – and some younger people with disabilities 65歳以上と身体障害者
Medicaid
public-assistance program for needy Americans of all ages低所得者で社会的保護が必要な人

Medicareには4つある(PartA~D) 
それぞれがカバーしているもの

PartA (Hospital Insurance):
inpatient hospital stays, care in a skilled nursing facility, hospice care, and some home health care

PartB (Medical Insurance):
certain doctors' services, outpatient care, medical supplies, and preventive services

PartC (Medicare Advantage Plans): 
all Part A and Part B benefits + Health Maintenance Organizations, Preferred Provider Organizations, Private Fee-for-Service Plans, Special Needs Plans, and Medicare Medical Savings Account Plans
Most Medicare Advantage Plans offer prescription drug coverage

PartD (prescription drug coverage): 
prescription drug coverage to Original Medicare



ちなみに、
医療費が高いのは、病院がふっかけて、実際の何倍もの高い金額を請求してくるから。保険会社が、「それ高すぎだろ。安くしろ。」と交渉して安くな る。それに対して保険と患者が払う。だから保険に入っていないと、とんでもない高い金額を払わなくてはいけなくなる。もっとも、個人でも交渉でき るらしいが難しい。それで今は、交渉だけをやってくれる保険会社とかもあるらしい。

 

リタイアメント

401(k)とRoth401(k)

日本と違ってアメリカでは退職金がない。ソーシャルセキュリティー(年金)だけでは老後の生活は厳しいため、リタイア(退職)後に備えた貯金が必要になる。そこで、リタイアメントとか401(k)とか呼ばれるものがある。給料から自動引き出しされて、証券会社の専用口座に入金される。

401(k)を用意してくれる会社では、たいてい会社がマッチングも用意してくれる。マッチングとは、給料の何パーセントかを401(k)に入れたら、何パーセントか会社からも入れてあげるよ、というお得なもの。
例えば、月の給料が4000ドルだったとして、私がその10%の400ドルを401(k)に入れたとすると、5%マッチングしてくれる会社なら200ドルを会社がくれることになる。
マッチングのパーセンテージは会社によって違うけど、5%前後が多いよう。

入れられる金額は決まっていて、1年間で最大、50歳未満の人は19,500ドルまで、50歳以上の人は26,000ドルまで、401(k)へ入れることができる。

税金は401(k)天引き分を引いた残りの収入のみに課税される。ただし、401(k)のお金を引き出すときに税金がかかる。退職後、今より収入が減るなら、税率が低くなるから先送りしたほうが得かもしれない。

税金支払い済みの401(k)もある。それがRoth401(k)というもの。これは給料の税引き後からの天引き。今税金面でお得ではないけど、将来引き出すときには税金がかからない。将来税率が上がるかもしれないという心配があったり、税率の高いところへ引っ越すかもしれないという人はこっちを選ぶとといいかもしれない。

Roth401(k)があるかどうかは会社によるけど、Traditional(通常)の401(k)とRoth401(k)の片方、または両方の口座を持てる。

年間に入れられる金額は、TraditionalとRoth合わせて、最大で50歳未満の人は19,500ドルまで、50歳以上の人は26,000ドルまで。


投資内容を選ぶ。証券会社の用意しているファンドの中から、stock(株)、Bond(債券), MMF(マネーマーケとファンド)、その他から自分で選んで組み合わせ合計で100%になるようにする。
たいていどれを選んでいいかわからないので、リタイアする年齢に合わせたパッケージが用意されている。若いうちはアグレッシブな株で、年齢が高くなると、安定したものを増やしてくれる。プロが年齢に合わせて組み合わせてくれたもの。

401(k)は59歳半からペナルティ(追徴課税)なく引き出せる。
緊急にお金が必要になった場合など、59歳半よりも早く引き出す場合には、引き出した分に対してペナルティが課せられる。所得税も課税される。ただし、引き出しの理由によっては免除もあるらしい。72歳半以降は、決められた最低金額以上を引き出していかないとペナルティが課せられる。

会社を辞める転職するときは、前職の401(k)を新しい職場の401(k)へ移動できる。そのまま、旧雇用主の401(k)口座に残しておくこともできる。また、IRA口座へロールオーバーして移すこともでき、この場合ペナルティもなく、税金ものちにIRAから引き出すまで支払う必要はない。

IRA

IRAはIndividual Retirement Account(個人リタイアメント口座)のことで、銀行や証券会社にIRA口座があっていれることができる。

引き出しは401(k)と同じく59歳半からで、それより早ければペナルティが課せられ、72歳半以降は決められた最低金額以上を引き出していかないとペナルティが課せられる。

年間に入れられる金額は6,000ドルまで。50歳以上は7,000ドルまでIRA口座へ入れることができる。

IRAにも401(k)同様、Traditionalと呼ばれる、税引き前に所得から差し引いて積み立て、将来引き出すときに税金を払うものと、Rothと呼ばれる税引き後の所得から積み立てるため将来は税金を課されないという2種類がある。

前年度の1月1日から翌年のタックスリターン締め切りまでに前年度分を積み立てる。

IRAへ積み立てられる年間最大金額は、TraditionalとRoth合わせて6,000ドルまで。50歳以上は7,000ドルまで。